羆嵐

とうとう書くこととなりました。
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羆嵐 吉村昭著
北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻き込んだ一頭の羆の出現!
日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起こった。
冬眠時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである(中略)
自然の猛威の前で、なすすべもない人間たちと、ただ一人沈着冷静に羆と対峙する老練な猟師の姿を浮き彫りにするドキュメンタリー長編。

昔から「漂流もの」と「マタギもの」が大好きで読み漁っていたワタクシ。
羆嵐は最大級の愛読書で何度読み返したことか・・・・。吉村昭先生すごい・・・・まじリスペクト・・・。
北海道三毛別・・・・いったいどんな山奥なんだろう・・・・人っ子ひとり通れない・・・・。


札幌から車で行けるよ by 妹


という事で、妹の運転で札幌から4時間かけて行ってきました。
あの!!!!羆嵐の!!!現場へ!!!きっと吉村先生も訪れたに違いない。
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はい、どーんっ!
郷土資料館がすでにおとろてぃよ。
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北海太郎。これは羆嵐ではないのですが、羆嵐のヒグマもこれぐらいあったようです。
体重500キロの最大級のクマ。
こんなんが全速力で向かってきたら・・・・・ジョー・・・・。
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それにしても剥製の技術がすごく上手。毛もつやつやで顔もかわいく、手足も立派。
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北海太郎と一緒に写真に写る大阪花子。 (妹撮影)
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再現風景。
こんなムシロの窓から・・・・ものすごい音とニオイやったやろな。
なす術もないとはこのこと。
羆嵐のヒグマは冬眠のタイミングを逃してしまって、つまり冬眠前に十分な栄養を蓄えられず、雪が積もってさらにエサもなくなり極限の空腹状態で狂暴化してたんだそう。大きいクマは冬眠サイズの穴を見つけられずそうなることがあるという。
そんなクマを「あなしらず」といって人々は恐れたそうです・・・・。

「あな持たず」ね。歯じゃないんやから。 by妹

他にもクマのはく製多数、実際に羆嵐を打ち取った猟師の山本平吉の写真あり。
また、昭和55年に放映されたテレビドラマの短縮版を観ることができます。
三国連太郎が山本平吉役で。

小説書かれている山本平吉は決していい人ではなく、飲んだくれで乱暴者で偏屈で。
ただ、銃の腕前と熊の生態の知識はとんでもなく優れている。
私が最も好きなシーンは196ページ(文庫)からの羆との直接対決である。

ページにして3ページほど、銀四郎(平吉のこと)がクマに向かって近距離から2発撃つ。
当時の銃なので連写はできず、いかに落ち着いて2発目を撃つか。
さらに3発目の準備を立射の姿勢を崩さず行い、構える。3発目を撃つことなく、クマは絶命する。
そして振り返った銀四郎の顔は死者の様に血の気が失われ、唇は白く、日焼けした顔の皮膚には皺が不気味なほど深く刻まれていた。

熊撃ちとはなんと恐ろしいものか、この数十行で知らしめる吉村昭先生の偉大さにシビレルのであった・・・・。

さらに一行は進む(私と妹ですが)
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のどかな牧場を見ながらどんどん山道へ。
最後は両側に草木が生い茂る砂利道を進むと行き止まりに
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あった!
地元のボランティアさんが管理する現場の再現風景(実物大)
車を止めると、鳥も虫のこえも聞こえない静寂。無風。両腕鳥肌。

今はもう誰も住まない、誰も開墾しない空き地になっている。
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ぎゃあ!

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以上で私の羆嵐を巡る旅は終わりです。
自然の前の人間の無力さ、それでも立ち向かい、調和しながら生きていく逞しさに感動の旅でした。
羆嵐、お勧めです。
その他の吉村昭先生の本のオススメいっぱいあるので、追々書きましょう。

無駄に長い本日のブログ、拝読いただきありがとうございました。
そのうえクリックもしていただき感謝の次第でございます。






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by atelierhitsujikai | 2017-07-16 11:19 | 私のこと | Comments(0)